Writer VOICE

さて、このオーナーインタビューの連載もありがたいことに本作で4回目を迎えます。みなさんご愛読ありがとうございます! WB HOUSEの機能性や魅力はきちんとお伝えできてますでしょうか? 過去の連載では工建設の家づくりとオーナーさまとの間柄をメインにご紹介してまいりましたが、今回はちょっと視点を変えて「暮らしの風景」にスポットをあててみたいと思います。「呼吸する家」を拠点にした日常にはどんなライフスタイルが息づいているのか、多彩な暮らしをのぞいてみましょう。

気持ちのいい時間

vol.4 / Aさま邸 ご夫妻にお聞きしました
家族三人の笑顔

気分を変えた、新しい開放感

仕立ての良い花や緑がやさしく出迎えてくれるのは、Aさんご一家の玄関口。この日は、梅雨時期の貴重な晴れ間で久々に光を浴びているせいか、ゆらぐ葉っぱたちも気持ちよさそうに風になびいています。中にはちょうど見頃を迎えている小さな一輪も。「たまに話しかけたりしてます(笑)」というご夫妻。たっぷりの愛情をうけてのびのび育っている植物たちですが、彼らを育んでいるお二人にもそんな面影がぴったりな印象です。

ー休日は家で過ごすことが多いんですか?

旦那さん:休日は釣りやゴルフ、ジョギング、野球をしている子どもとのキャッチボール、あと、テラスでBBQしたり。でも、ガーデニングにいちばん夢中というかハマってますね。今は世間も自粛ムードですので、庭の手入れは変わらず、子どもとゆっくり過ごすことも多いですね。

ーもともとお二人ともガーデニングが趣味だったんですか?

旦那さん:いえ、完全に嫁の影響です。でも自分にあってる気もするし、外でせっせと手入れなんかしている時も育ててるやりがいがあって楽しいです。自分の手で成長させていくというのがおもしろいのかもしれませんね。自然に趣味になったという感じです。

奥さん:ガーデニングは前のアパート暮らしの時からやってるので、家を建ててからボリュームを増やせたという感じですね。アパートの時はガーデニングと言ってもベランダでほそぼそと育てているぐらいでしたけど、今は植物が育っていく気持ちよさもなんだか大きく変わった気がします。やっぱり開放感が違うからかな?

旦那さん:おかげでホームセンターに行く頻度も変わりましたね。100円ショップにも結構いろいろガーデニング用品があって、ペンキとか買ってきて鉢を塗ったりするのも楽しいですね。

庭木の中を歩く女性

ー旦那さんの趣味の範囲をみると結構アクティブですね。

旦那さん:そう言われますね。自分では何だかんだじっとしてるつもりなんですけどね(笑)釣りなんかは最近はご無沙汰です。植木鉢を置く棚とか箱とかDIYで作ったりしてますね。

ー飾るところまでしっかりこだわっているんですね。

奥さん:前に、外にいた主人にご近所の方が玄関先に咲いている花の名前を尋ねてこられたみたいなんですけど、主人がさらっと名前を言えたのにびっくりされたことがありました。私じゃないと分からないと思われてたみたいで(笑)

旦那さん:そう、見た目がそういうギャップをだしてるんですかね。その時は感心されました(笑)。花にも一つ一つ名前があるわけで、育てているうちに勉強しちゃってるんですね。

奥さん:私、出かけた先の公園でモミジの種を拾ってきて庭に植えたんですよ。

ー完全に野生の種じゃないですか(笑)

旦那さん:もう二年前ですかね。うまいこと育ってるんですよこれが。まだ小さいですけど、庭の隅にいますよ。やっぱり秋ごろに色付くのがいいですよね。

「植えてます」ではなく「います」という表現がなんとも微笑ましい。普段の草むしりも軽快にこなしているようで、日頃からアクティブな印象が見てとれる旦那さんですが、そこには飾らない自然体な姿が垣間見えます。

庭の芝生の上を歩く男性の姿

外での実りを、中でも演出

ーいろんな種類の花を植えられてると思うんですが、お気に入りとかはあるんですか?

奥さん:ひとつには決めれませんが、町の花にも指定されている桜をいつかは育ててみたいですね。花びらがとってもかわいいんです。

旦那さん:二人でその桜を育てるための説明会にも行きました。周りはどなたもベテランそうな方々ばかりで、若手らしき参加者は僕らぐらいでした。普通に育てるにはちょっとコツがいる桜なんですが、自分の庭に立派に桜が咲き誇ってたらたまらないですよね。

ーたしかに、桜は特別誇らしく見えたりしますよね。子どもたちも自慢げになりそうですね。

旦那さん:枝によじ登られるのが心配ですけどね(笑)

ー家の中に飾ってある植物や花はお庭で摘んだものなんですか?

奥さん:そうです。ずっとこれも夢だったんですよ。庭で育てた花や草木を家の中で楽しむというのはアパート時代では到底無理でしたし、家を建てると決めてからはずっと楽しみにしていた日常ですね。

Aさんご一家のWB HOUSEは、天井を高くとった吹き抜けのリビングが特徴。外からの彩光を取り入れ、自然な明るさを感じる空間に仕上げられています。なるほど、台所のカウンターに置かれた木々の葉にやわらかな印象をうけるのも、その工法が生かされての効果だと実感です。

旦那さん:正直言うと、はじめのうちは吹き抜けの天井には気が進まなかったんです。でも、やっぱり今思うとこれでよかったなと思ってます。なんと言っても気持ちがいいですね。工建設の社長とは幼なじみでもあるんですけど、プラン立てや提案なんかはほとんどお任せした感じです。かといって自分たちの意見を入れなかったのではなく、僕らの趣味や日常の過ごし方をちゃんとくみ取ってくれた上で家づくりに反映させてくれました。釣具とかゴルフクラブなんかをしまう棚が玄関先にあって、出し入れにアクセスしやすいのもそうですね。

ー使い勝手がいい環境だと、過ごしていく楽しみも増えそうですね。

奥さん:春になるとほとんどの花から新芽がでてくるんですが、私はその瞬間がいちばん好きなんです。冬の終わり頃から庭の景色も変わってくるので、その時期からはやっぱりワクワクしてますね。家の中に飾る花や草木も季節ごとに変わっていくんですが、部屋の色合いも落ちついたつくりなのでどれもしっくり馴染みます。子どもたち3人もそれぞれ好きな種を自分で選んでちゃんと水やりしてて、中にはレモンの木もあったりするのでそっちの方も楽しみですね。

ーレモンですか?それは楽しみですね。

旦那さん:去年はスイカがなってましたよ。まぁまぁ大きいやつ。今日に間に合わせとけばよかったですね(笑)惜しかった!

奥さん:ゴーヤならありますよ。ほら。

家の中でくつろぐ家族

この家での時間だから、楽しみたい

気の向くままに手を動かし、汗を流し、おとずれる素敵な成果をわかちあうAさんご夫妻。実はお二人とも普段は受付業務。好きな時間を満喫する我が家の背景には、気の抜けない仕事に精をだす姿があるようです。

旦那さん:夏場は特に草の生え方が早いので、早起きして出勤前に草むしりをすることもあります。涼しいうちがやっぱり捗りますしね。子どもがよく泥んこまみれで玄関に立ってたりするのもこの時期ですかね。

奥さん:梅雨時期はやっぱり室内で過ごす時間が多いんですけど、家の中は雨音が聞こえなくて静かですね。ガーデニングの動画も見たりしてます。子どもは騒いでますけど…。

ガーデニング道具

「時間」は誰にでも平等とは言いますが、自身でどう過ごすかによってはその意味も大きく変わります。ガーデニングは時間もかかるし気軽にできるものじゃない。もし、そんな言われがあったとすれば、この一家が体現していることは相当な信念があってのことなのでしょうか。それは違う気がします。ほんとうにただ楽しいから種をまき、早起きして草をとり、水を与える。この家には純度の高い好奇心がいたるところに満ち溢れていることを、肌で感じます。どの花々も気持ちよさそう。

そのことを高らかに証明しているのか、大きく育ったユーカリが澄みきった葉っぱをなびかせながら、自分の人生をのびのびと謳歌していました。

子供の靴 庭を指さす女性 家の中から見える庭の風景
文と写真 河野喬