WB HOUSE 新築工事

今回は、細長い敷地という条件を活かし、デザインと機能性を両立させた平屋の住まいをご紹介します。先ず目を引くのは、深いモスグリーンの外観ですね。お施主様の理想の色味を実現するために「IG工業」の金属サイディングを採用しました。同じグリーンでも、メーカーによって発色や質感は大きく異なります。納得がいくまでサンプルを取り寄せ、比較検討を重ねて選んだこの色は、木目調の軒天(のきてん)とも非常に相性が良く、落ち着きのある佇まいになりました。さらに、今回の敷地は奥行きがあるため、通常は短い方に屋根をかけるのが一般的ですが、今回はあえて屋根の向きを「逆」に設計しています。専門用語で「妻側(つまぎわ)」と「軒側(のきぎわ)」を入れ替えるような形をとることで、屋根の一部をそのまま玄関先まで長く伸ばす「吹き下ろし」が可能になりました。これにより、別途ひさしを設けなくても、雨の日でも濡れずに玄関へアクセスできる、デザイン的にもスッキリとしたアプローチが完成したと思います。

また、夜のライトアップで美しく浮かび上がる真鍮の表札は、お施主様こだわりの一品です。金属サイディングには凹凸があるため、固定用のピンがリブのどの位置に来るか、その「割り出し」には細心の注意を払いました。通電していない状態だったので、何度も数センチ単位の調整を繰り返し、影の落ち方まで考慮したベストな位置へ設置しています。こうした細かな積み重ねが、住まいの品格を左右するので、慎重に調整しました。
リビングは、平屋のメリットを最大限に活かした勾配天井を採用しました。天井を高く上げることで、実際の面積以上の開放感とゆとりを感じられる空間に仕上げています。
キッチンの背面壁には、ニュアンスのあるブルーグレーの本物タイルをあしらいました。ここでは、タイルの寸法に合わせて壁の高さや幅を大工さんがミリ単位で調整しています。端に中途半端なサイズのタイルが入らないよう、交互に半分ずつずらして貼る「馬張り(うまばり)」の美しさを追求しました。

リビングへの入り口には、パナソニックの「ネイビーオーク柄」の建具を選びました。この扉には【モールアクリル】というストライプ状の凹凸がある素材が使われており、リビングからの光を柔らかく拡散させて廊下へと届けてくれます。視線を程よく遮りながらも、空間の繋がりを感じさせるアクセントとなっていますね。続いて洗面スペースには、アイカ工業の【スマートサニタリー】を採用しています。なんと1ミリ単位でサイズオーダーができるというこのカウンターを使い、窓の位置やタイルの目地とラインを完璧に揃えることができました。既製品の高い清掃性と、造作家具のような高いデザイン性を両立させています。大きな一面鏡が、奥行きのある空間をさらに広く見せてくれます。家づくりは、細かな「納まり」の積み重ねでもあります。図面上の数字だけでなく、現場で大工や職人と知恵を出し合い、お施主様のこだわりをどう形にするか、そのプロセスこそが、世界に一つだけの住まいを作り上げるのだと再認識できました。

設計
sumica design
内装
sumica design
施工
工建設株式会社
工法
WB HOUSE