WB HOUSE 新築工事

外観

今回は私、工建設代表、多田の自宅です。実績として掲載するのは少々気恥ずかしい気もしますが、我が家ということもあり、私がずっと試したかった事や、実際に住んでみての感想など、率直に語らせて頂くいい機会としてここに綴らせて頂きます。工建設としてのチャレンジや、亡き先代である私の父への想いなど、筆舌に尽くしがたいものを注ぎ込んだ物件でもあります。これまでの実績とは少し毛色の違った記事になるかとは存じますが、ご了承頂ければ幸いです。設計は私の大学時代の先輩でもある安井設計士にお願いをしました。島根県松江市に事務所を構え活躍されている設計士さんですが、非常にセンスも良く、何より私の想いを汲んで設計してもらいたいという事が有ったため、気心の知れた先輩にお願いしたかったというのが大きいかも知れません。造りは瓦造りの平屋建てにしました。今では少なくなってきた瓦造りにしたのも、父が建てた母屋を踏襲したためです。

家の外壁には、高千穂シラスさんの【そとんかべ】という材料を採用しました。シラスというのは、ご存知のとおり水はけのいい素材です。塗りは【掻き落とし】という手法で、一度目は普通に仕上げ、二度塗りの際に、塗った側から剣山をつかってガリガリと削り落として仕上げる手法です。これにより、写真でも分かる通り、近くで見るとザラザラとした質感に仕上がります。珍しい外壁ですが、今回お願いした左官職人さんもこの掻き落としが好きだと仰ってくださり、意見の合ったところでした。一見脆い感じはしますし、もちろん触れば少しポロポロと崩れる感じはありますが、経年による劣化は少なく、台風などを経て10年以上経っても雨だれはしないという優れた左官材です。なによりこのテクスチャが素晴らしく、とても気に入っています。細かい点ではありますが、壁の角の部分【出隅】にも設計士の安井さんの拘りがあり、通常このような外壁の出隅は面ゴテで平らにするところを敢えてそのままにしました。これにより、出隅までザラザラとした質感が残りました。細部に至るまで、この素材の良さを最大限引き出せたと思います。

一方で、新たなチャレンジとして試みたのが大きな戸袋式の引き戸です。これには建具屋さんにも苦労を掛けましたし、ウチの大工さんにも無理を言いました。戸袋は引き戸が完全に壁の中に収納され、見た目もスッキリするデザイン性に富んだ造りなのですが、壁の中に扉をしまい込んでしまうので、メンテナンス性には欠けます。デザイン性とメンテナンス性を天秤に欠け、長年使用することを考えると後者ではないかという意見もありますし、私も重々理解はしていますが、実用性というのは、実際に住んでみて、そのデザインに感じる心地よさというものも含めてのものじゃないかと考えます。ここにどれだけ重きを置くかで、どちらも正解になるのではないかと考えます。お付き合い頂いた職人さんには感謝しかありませんが、工建設の新たな成長を形に出来たのではないでしょうか。まあ大変でした(笑)

子供が3人いてまだ幼いため、子供でも操作出来るように壁の照明スイッチを低めに設置したことで、視界に入りづらく、スッキリとした印象にもなりました。床は杉材を使っています。以前のご依頼でも使用しましたが、やはり柔らかくて非常に足触りがいいです。柔らかいので傷は付きやすいというのが難点に思われる事もあるとは思います。このあたりを味と捉えるかどうかですが、私個人の意見としては大満足です。家の中を裸足で歩き回りたくなっちゃいます。子ども部屋の学習机もシンプルに作りました。こういったものも、市販されている物よりは家に合わせて作ると非常に良く馴染みますね。私が使いたいくらいでした。なんせ我が家でありますから、WBに関しての事、キッチン、お風呂場、寝室などについてもご紹介したいところではありますが、長くなり過ぎてしまいそうなのでまたブログなどでもご紹介しようかと思います(笑)また、こちらの物件に関しては、お問い合わせ頂ければ見学など対応させて頂こうかと考えております。お気軽にお尋ねください。

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設計
チャイアーキ一級建築士事務所(島根県松江市)
内装
チャイアーキ一級建築士事務所(島根県松江市)
施工
工建設株式会社
工法
WB HOUSE