工だより-家と人と技と日々

家づくりにまつわる話や工建設の日常をお届けします

2017年11月14日未分類

建物は地盤の上に建っている

先月、これまでお付き合いのなかった町内のお客様から電話が入りました。

事情を聴いていると、築25年経っている住宅がいまだに地盤沈下しており、床のレベルが下がっている気がするとのこと。「いまだに?」という言葉が気になり、質問すると、地盤沈下に悩まされているのは初めてではないとのこと。まずは、現地調査に行き、大工さんと床下の潜ったり、床のレベルを測定したりしました。

調査結果としては、建物の一部が不同沈下しており、床レベルが下がっていました。完全な欠陥住宅と言いたいとことですが、複雑な事情が重なっている様子。不同沈下とは、建物全体が一様に沈下するのではなく、地盤の弱い箇所にむかって建物が傾く現象のことを言います。建物が全体的に下がることを圧密沈下、弱い箇所が下がることを不同沈下と呼びます。当然、圧密沈下より不同沈下の方が厄介です。

【床下に発見し地割れ】

お客さんが生活していて違和感を感じている1階の床下が、このように地割れが入り、地盤が下がっていました。そのため、床のレベルも一部分が下がっている状況でした。なかなか見れない現象です。

以前のブログにも記しましたが、約10年ほど前から「まもりすまい保険への加入」が義務化されているため、地盤調査および地盤補強は家を建てるための絶対条件となっています。しかし、25年前にはこのような保険や制度がなかった訳です。じゃー、建てた工務店に責任は無いのか?これも可笑しな話で、このような不法行為(地盤沈下など)について、民法上は引渡しから20年経つと不具合をおかした会社の責任が消滅することになっています。しかも、建てた会社は倒産しており存在していません。

一番困るとは誰か?住んでいるお客さんですよね

【床下の床束が補修されている形跡がある】

新築時にこんなやり方は有り得ない!!!

床の土台を支える材木の束とコンクリートの束石の間に、パッキンとして材木や金物がかましてありました。お客さんに聞いたところ、建てたあと、地盤沈下のせいで床レベルがおかしくなり、一度補強工事および補修を行っているとのこと(建てた建設会社)。でもでも・・・その建てた会社は補強した後に書面での施工報告書すら提出していないのです。なので、補修した当時の情報が何もお客さんの手元に残っていないという始末。補強した当時、どの箇所を補強したのか、どこが何センチ下がっていなのか。何も報告されていないのです。

【基礎の立上りにはクラックまで】

今回の建物は、布基礎という種類の基礎で施工されていました。いまはベタ基礎と言って、すべて建物の下にはコンクリートが打設してある基礎が主流ですが、この当時は布基礎が主流だったため、基礎の立上りの間には砂利や土が入っている状況です。つまり、壁の下にあるこの立上り基礎が大変重要なんですが・・・このようなクラックが随所に見られました。

なかなか難しい事案で、どう対応するか、悩んでいます。

これも、お客さんの情報ですが、土地を買った際、当然土地は更地になっていたそうです。利便性もよく、その土地を気に入って購入し、家を建てた訳ですが、建てた後に知った情報だと、更地になる前は竹藪だったとのこと。しかも、伐採した竹をその土地に埋めたとか埋めなかったとか・・・。これもとんでもない話ですが、もし伐採した竹を土地の敷地内に埋めたことが事実であれば、当然、竹が腐食する間、地盤沈下は継続する訳です。じゃーその沈下はいつ終わるのか。それも未知の世界ですよね。建築業界では、腐植土といいます。砂や粘土の柔らかい地盤よりも、腐植土は本当に厄介です。

皆さんも、家を建てる際、土地の購入をされたり、親や祖父母の建物を解体して新築したりすると思いますが、「家は地盤の上に建っている」ことを忘れないでください。このような事態は免れないといけませんし、地盤沈下すれば、生活できなくなるんですから。本当にご注意ください。

オーナーズインタビュー vol.1